
ごきげんいかがですか。
むねやんです。
今回は米国株バリューETFでどれが最もオススメなのかを比較検討してみました。
対象ETFは、バンガード社の【MGV】【VTV】、ブラックロック社の【JKF】【IUSV】、ステートストリート社の【SPYV】の5銘柄です。
※2018/7/30更新
投資初心者は大型バリュー株から?
初めて株式投資を始める人たちにとって悩ましいのは「どの株を買えば良いのか?。」ってことだと思います。
そりゃあそうですよね。
上場企業数なんて膨大な数になるでしょうし、正直、私も99%は知らない会社ですww
そんなとき、投資指南書なんかで時折見かける投資法が、バリュー投資法です。
バリュー投資法ってちょっと誤解されてるところもあって「FAANGのようなグロース株を無視して、老舗の地味な大型株を購入していく方法」みたいに思われている方もおられるようですが、実際はもうちょっと難しい方法です。
バリュー投資とは、現在の株価が割安なのか割高なのかを見きわめて、割安なら買うという方法です。
出典:ダイヤモンドオンライン
つまり、企業の財務体質が健全で将来性があることを見抜き、そのポテンシャルに比べて株価が割安であることを看破しなくてはなりません。
バリュー投資家といえばかのウォーレン・バフェット御大をイメージしますが、彼のように普段から企業の業績等々について入念なウォッチと研究があって初めてリターンを得る投資法です。
バリュー投資はよくグロース投資と比較されがちですが、企業のポテンシャルと将来性を見抜くという点においては本質的には同じものだと私は考えています。
もちろん、バフェット御大が見事な結果を残しているように、少し時間はかかるかもしれませんがバリュー投資は非常に効果的な投資法だと言えます。
バフェット御大は個別株派ですが、企業研究をする時間のないお忙しい方や難しくてよく分からないという方は、プロが選定して組み合わせてくれたバリュー株ETFも良いのかなぁと思ってます。
私が今回注目したバリューETF
実は私、バリュー株ETFはまだ持っていません。
購入を検討したことはあるのですが、高配当ETFの方に目がくらんで、主にそちらばかり購入しております。
とはいえ、せっかく先日、SPDR「スパイダー」ブランドで有名なステート・ストリート社の超低コストバリューETFが日本で発売されましたので、これを機会にバリューETFをもう一度、再検討してみることにしました。
今回ピックアップしたETFは以下の基準で選定しております。
- 各米国三大ETF運用会社(バンガード、ブラックロック、ステートストリート)から最低1銘柄以上を挙げる。
- 数あるバリュー指数の中でも、大型株かつ過去リターンの高い指数を選ぶ。
- なるべく経費率の低いの商品を選ぶ。
なお、バリューETFのうち、どのベンチマークの過去リターンが高かったのかはこちらの記事で検討しました。
それでは5つのETFを比較・検討してみることにしましょう。
※以下は2018/7/27時点のデータです。
バンガード【MGV】
名称 | バンガード・米国メガキャップ・バリューETF |
ティッカー | MGV |
設定日 | 2007/12/21 |
指数 | CRSP USメガキャップ バリューインデックス |
経費率 | 0.07% |
株価 | 78.11$ |
乖離率52週 | 0.02% |
出来高 | 100,960 |
資産総額 | 2.043十億$ |
直近配当利回り | 2.36% |
1年リターン | 14.19% |
3年リターン | 12.10% |
5年リターン | 11.32% |


バンガード【VTV】
名称 | バンガード・米国バリューETF |
ティッカー | VTV |
設定日 | 2004/1/30 |
指数 | CRSP USラージキャップバリューインデックス |
経費率 | 0.05% |
株価 | 108.31$ |
乖離率52週 | 0.01% |
出来高 | 2,375,613 |
資産総額 | 42.212十億$ |
直近配当利回り | 2.32% |
1年リターン | 13.33% |
3年リターン | 12.19% |
5年リターン | 11.37% |


ブラックロック【JKF】
名称 | iShares MorningstarラージキャップバリューETF |
ティッカー | JKF |
設定日 | 2004/2/7 |
指数 | モーニングスターラージバリューインデックス |
経費率 | 0.25% |
株価 | 104.96$ |
乖離率52週 | -0.01% |
出来高 | 11,177 |
資産総額 | 0.399十億$ |
直近配当利回り | 2.65% |
1年リターン | 10.83% |
3年リターン | 11.20% |
5年リターン | 9.43% |


ブラックロック【IUSV】
名称 | iSharesコアS&P USバリューETF |
ティッカー | IUSV |
設定日 | 2000/8/4 |
指数 | S&P 900バリューインデックス |
経費率 | 0.04% |
株価 | 55.44$ |
乖離率52週 | 0.02% |
出来高 | 327,250 |
資産総額 | 4.098十億$ |
直近配当利回り | 2.39% |
1年リターン | 9.97% |
3年リターン | 10.59% |
5年リターン | 10.02% |


ステートストリート【SPYV】
名称 | SPDR S&P 500バリューETF |
ティッカー | SPYV |
設定日 | 2000/9/29 |
指数 | S&P 500バリュー指数 |
経費率 | 0.04% |
株価 | 30.65$ |
乖離率52週 | 0.02% |
出来高 | 178,148 |
資産総額 | 1.391十億$ |
直近配当利回り | 2.48% |
1年リターン | 10.14% |
3年リターン | 10.47% |
5年リターン | 9.88% |


比較一覧表
MGV | VTV | JKF | IUSV | SPYV | |
---|---|---|---|---|---|
設定日 | 2000/9/29 | 2004/1/30 | 2004/2/7 | 2000/8/4 | 2000/9/29 |
経費率 | 0.04% | 0.05% | 0.25% | 0.04% | 0.04% |
株価 | 78.11$ | 108.31$ | 104.96$ | 55.44$ | 30.65$ |
出来高 | 100,960 | 2,375,613 | 11,177 | 327,250 | 178,148 |
資産総額 | 2.043十億$ | 42.212十億$ | 0.399十億$ | 4.098十億$ | 1.391十億$ |
直近配当利回り | 2.36% | 2.32% | 2.65% | 2.39% | 2.48% |
1年リターン | 14.19% | 13.33% | 10.83% | 9.97% | 10.14% |
3年リターン | 12.10% | 12.19% | 11.20% | 10.59% | 10.47% |
5年リターン | 11.32% | 11.37% | 9.43% | 10.02% | 9.88% |
過去トータルリターン比較
2018/7/27時点
【MGV】:【VTV】:【JKF】:【IUSV】:【SPYV】
過去3年
過去5年
最大比較可能期間(約10年6か月)
評価
銘柄選定
過去記事にてバリュー株指数を比較してみたところ、「メガキャップバリュー指数」と「ラージキャプバリュー指数」という名称がついた指数の成績がよかったので、【MGV】【VTV】【JKF】をピックアップしてみました。
【IUSV】【SPYV】についてはブラックロックisharesバリューシリーズ、ステートストリートSPDRバリューシリーズで最も経費率が安かったので選定してます。
一応、今回選ばれなかったバリュー株ETFについても過去リターン等を調べてみましたが、どうやら今回ピックアップしたETFの成績がトップ5になるようです。
経費率
【MGV】【IUSV】【SPYV】>【VTV】>>>【JKF】
経費率は【MGV】【IUSV】【SPYV】の0.04%が【VTV】の0.05%をわずかに上回っています。
とはいえ、その差はわずか0.01%。
コストは安ければ安いに越したことはありませんが、そこまで決定的な差ではなさそうなのでここは気にしなくても良いでしょう。
ただ【JKF】はその中でも突出してコストが高いです。
コストが高い割に過去1~3年の成績は【IUSV】【SPYV】より高いんですよね。
ベンチマークや構成銘柄による違いでしょうか?ちょっとよく分かりません。
ただ、過去5年以上の成績を見ると【JKF】が最もリターンが低くなります。
出来高&総資産
こちらに関しては【VTV】の圧勝です。
出来高や総資産額はETFの健全性や流動性を図る上で、非常に重要な指数です。
多ければ良いというわけではありませんが、ある一定以上のの数字はほしいところです。
【VTV】は設定日が一番若いわりに、最も総資産額が多いんですね。
バリュー投資家に人気のETFのようです。
むしろ他の4銘柄が不人気なのか?
配当利回り
配当利回りは【JKF】が一番高いですね。
コストが高い割にリターンがそこそこ良いのはこのためでしょうか?
とはいっても、どの銘柄もほとんど差はありません。
ここも経費率と同じで、あまり気にしなくてもよいでしょう。
構成銘柄
どの銘柄にも共通していることですが、金融セクターの割合が高いですね。
リーマンショック以降、低金利時代が続きましたから、財務体質の割には不人気だったんでしょうか?
【VTV】はテクノロジーの割合が多いのが特徴的です。
構成銘柄1位はマイクロソフトで、この辺は高配当ETF【VYM】と似てる部分もあります。
【MGV】の構成1位もマイクロソフトですし、過去の成績が良いのはこのためでしょうか?
他にもエネルギーセクターやヘルスケアセクター、資本財セクターなどの銘柄の割合が多いようです。
現在の景気循環ではこれらのセクターが比較的割安に置かれているということでしょうか?
あと、毎回思うことなんですが、バークシャーハサウェイの割合がやたら多いのが気になります。
グロース株の筆頭みたいなイメージですが、実はバリュー株としての一面の方が強いのでしょうか?
うーん、この辺りの区分けがよく分かりません。
過去リターン
バリュー株ETFのなかでは【VTV】が安定して高いリターンをたたき出しています。
時点に【MGV】、その次に【ISUV】がくるでしょうか?
リーマンショックのときの下げ幅はどれも似たり寄ったりですね。
しかし悲しいことに、実はどの銘柄もS&P500【SPY】に負けています。
じゃあ【SPY】でいいんじゃない?ってことになります・・・よね?
総評
私個人の意見として、強いてバリューETFを購入するなら【VTV】が良いと思います。
過去のリターンを見てもそれは明らかです。
ただ、市場平均であるS&P500ETF【SPY】にどの銘柄も負けています。
だったら無理にバリュー株ETFを買わなくても、【SPY】や【VOO】や【IVV】で良いよね、って結論に達しそうです。
大型成熟企業を買いたいなら【VYM】などの高配当ETFでもよいわけですし、ちょっと中途半端な印象を受けました。
やっぱりバフェット御大がやってるからって真似してみても、そう上手くはいきませんよねぇ。

バリュー投資はやっぱり、普段からの努力が大事ですね。
まとめ
- 米国株バリューETFの中では【VTV】が良さそうだ。
- ただ米国株バリューETFを買うのであれば、S&P500ETFで十分事足りると思われる。
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