
ごきげんいかがですか。
むねやんです。
今回はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)新規設定のお話です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)新規設定
三菱UFJ国際投信が運用する超低コストのインデックスファンド【eMAXIS Slimシリーズ】。
ついにファン待望の【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】が新規設定されることになりました。
今回の情報提供は、毎度おなじみアウターガイさんです。
商品解説
概要
先進国、新興国、日本を含めた全世界の株式に投資するインデックスファンドです。
地域別構成比率はおおよそ
・先進国:82%、
・新興国:11%
・日本:7%
です。
ベンチマーク
ベンチマークはMSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)(配当込)です。
3つの既存マザーファンドを組み合わせて、MSCI ACWIに沿った運用を目指します。
配当込みの指数というのが地味に嬉しいですね。
なお、先進国株式、新興国株式部分は既存のマザーファンドを利用しますが、国内株式は新設のマザーファンドになるそうです。
信託報酬
- 0.142%(税抜き)
- 0.15336%(税込)
になります。
【eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)】と同コストですね。
発売日
SBI証券からは2018年11月1日。
楽天証券からは2018年11月2日から取り扱い開始となります。
他の全世界株との違い
「あれ?【eMAXIS Slimシリーズ】って既に全世界株ファンドあったんじゃなかったっけ?」
一部の方はこんな疑問を抱かれた方もおられるのではないでしょうか?
確かに【eMAXIS Slimシリーズ】には全世界株ファンドが既に存在しておりました。
しかし、それぞれにちょっとした特徴があり、名前通り「全世界の株」に市場規模に比例して投資できていたわけではありませんでした。
【eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)】はその名の通り日本を除いた全世界の株式に投資しています。
また【eMAXIS slim 全世界株式(3地域均等型)】は日本株式と先進国株式と新興国株式を3分の1ずつ均等に投資していますので、市場規模の大きさの割には日本及び新興国の投資割合が大きいファンドでした。
要するに、時価総額加重配分かつ日本を含めた全世界に投資できるファンドは今まで【eMAXIS Slimシリーズ】に存在しなかったのです。
この逆、つまり時価総額加重配分かつ日本を含めた全世界に投資できる商品として有名なのが、インデックス投資家御用達の人気ファンド、バンガード【VT】というわけです。
しかし、今回の新ファンド登場の結果、ついに【eMAXIS Slimシリーズ】にも【VT】と同等の全世界株式ファンドが取り扱えることになりました。
ライバル商品は?
時価総額加重配分かつ日本を含めた全世界に投資できるファンドは他にもあります。
- 【楽天・全世界株式インデックス・ファンド】(通称:楽天VT)
- 【SBI・全世界株式インデックス・ファンド】 (愛称:雪だるま)
- 【全世界株式インデックスファンド】
こちらの商品と信託報酬を比較すると以下の通りになります。
(2018年10月15日現在)
商品名 | 信託報酬 | 実質コスト |
---|---|---|
slim全世界 | 0.15536% | 0.240% |
楽天VT | 0.2296% | 0.500% |
雪だるま全世界 | 0.150% | 決算前 |
全世界インデックス | 0.5400% | 0.623% |
【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】の実質コストに関しては予想にしか過ぎませんが、【eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)】と同等の水準だとすれば全世界ファンドNO.1の低コストファンドに躍り出る可能性があります。
ライバルの【楽天VT】は先日の第1期運用報告にて実質コストが非常に高いことが判明してしまいましたので、差をつけるのならば今がまさにチャンスです!
【全世界株式インデックスファンド】は【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】と同じベンチマークですが、この中では群を抜いてコストが高いので投資対象として考える必要はなさそうです。
三重課税コストを回避できる
【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】の良いところは、三重課税の影響を受けなくてすむということです。
通常、外国株式やETFの配当は現地国→日本の両方から課税されます。
これを二重課税と呼びます。
ただこの二重課税は、申請すれば外国税額控除などの制度を利用して一部還付が可能です。
ところが購入している海外籍ETF、例えば米国籍ETFが新興国などの株式を購入している場合、新興国→米国→日本の3つの地域から課税されることになります。
これが海外ETFの三重課税問題です。
三重課税問題では、外国税額控除を利用しても還付されない部分が出てきます。
【楽天VT】はファンドオブETF方式であり、投資先である【VT】はアメリカで取り扱われている米国籍ETFです。
【VT】の投資先の約45%は米国外株式のため、この範囲の配当金が現地国→米国→日本と三重に課税されてしまいます。
【雪だるま全世界】も3つの米国籍ETFを購入するファンドオブETF方式ですので、同様の問題が発生します。
【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】は国内マザーファンドが現地国に直接投資する現物運用ですので、【楽天VT】や【雪だるま全世界】のように米国経由の三重課税が問題になることはありません。
(二重課税までですみます。)
全世界に株式投資しながらも三重課税問題を回避できる。
これも【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】の大きな魅力の一つと言っていいでしょう。
弱点は?
弱点というかひとつ懸念点があるのですが、今回の日本株式マザーファンドはゼロから新規設定します。
きしやんさんがおっしゃるように、新規設定したマザーファンドに過剰な資金が流入すると、【楽天VT】の第1期運用報告書のようにコストが予想以上に高まる可能性があります。
まあ先進国ファンドと新興国ファンドは既存のマザーファンドを利用しますからそこまで大きな影響にはならないと思いますが、先日の【楽天シリーズ】の二の舞にならないことを願います。
また【eMAXIS Slimシリーズ】には既に【eMAXIS Slim 全世界株式(日本除く)】がありますから、顧客の奪い合いになる可能性も捨てきれません。
まとめ
【VT】はインデックス投資界隈において、地域分散投資の究極形と言っても良い存在でした。
なぜなら、この商品だけ買っておけば「全世界の株式を丸ごと買っているのと同等」の効果が得られるわけですから。
どこか特定の地域の株式高騰の恩恵も受けられますし、特定の地域の株式が大暴落しても他の地域の株式がそれをカバーできるます。
ただ海外ETFを手動で買い増ししたり、ドルを購入するのが少々手間でした。
【楽天VT】の登場で、国内投資信託でも円建て自動積立が可能になりました。
しかし、人気が高まりすぎたためか【楽天VT】の実質コストは非常に高い結果となってしまい、投資家の期待を裏切ることになりました。
そこへきて、この【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】の登場はかなり良いタイミングだと思います。
正直、【eMAXIS Slim TOPIX】【eMAXIS Slim先進国株】【eMAXIS Slim新興国株】を手動で組み合わせた方がコストは安くなります。
きしやんさんによると、地域別時価総額の割合を日本:先進国:新興国=1:8:1にして組み合わせると、信託報酬は約0.132%になるそうです。
しかし【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】の最大の利点は、これひとつ買うだけでリバランス等の手間を完全にパスすることができることです。
それに比べれば僅かなコスト差など安いものであり、事実、【楽天VT】などの「オールインワン」ファンドは市場でも人気の商品です。
時期的に「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」には参加できたとしてもランクインは厳しいと思いますが、今後、全世界ファンドのド本命として大いに注目を集めることは必至でしょう。
全世界株ナンバーワンの座を手にするのはそう遠い未来ではないかもしれませんね。
まとめ
- 【eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)】が新規設定
- コストは全世界(オール)ファンド最安予想
- 【楽天VT】がつまずいている間に猛追できるか?
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