年末調整カン違い?育児休業ママパパは配偶者扶養できますよ!

ご機嫌いかがですか。
むねやんです。

今回は、産前産後休業・育児休業中のママパパに向けた年末調整の記事です。
産休・育休中の方はもちろん、これから出産を迎えるご家庭や、育児休業終了後のご家庭の方も是非ご一読いただけたらと思います。

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ご注意

記述内容については初心者向けに簡略化して書かせて頂いております。 より正確な内容を確認したい方、また法律も日々更新されておりますので最新の情報をお求めの方もは最寄りの税務署等にお問い合わせください。

 

育児休業中の配偶者扶養は可能なのか?

この時期、むねやんは同僚から、年末調整の相談を何故か受けることがあります。
その際、「育児休業中の配偶者扶養」が可能にも関わらず、扶養申請していない人が意外と多いことに気が付きました。

「世のため人のために、私は税金を誰よりも多く払うのだ!」という貴い志をお持ちの方は別として、せっかく国から「税金の免除をしても良いですよ。」と言ってくれているのだから、制度を使わないのはもったいないです!

今回はその点についてお話させていただこうかと思います。

結論を先に申せば、

条件さえ揃っていれば可能です!

 

条件とはつまり、通常の配偶者扶養・配偶者特別控除と同様の条件です。

配偶者控除の条件

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
※ 平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

配偶者特別控除の条件

(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
(2) 配偶者が、次の五つの要件すべてに当てはまること。
イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。
ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
ニ 他の人の扶養親族となっていないこと。
ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満注)であること。
(注)平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。

おおまかにまとめると、

  • 年間の合計収入金額が103万円未満 → 配偶者控除が可能
  • 年間の合計収入金額が103万円超 141万円未満 → 配偶者特別控除が可能

ということになります。
つまり、育児休業中であっても仕事をしていても、配偶者控除の条件は変わらないのです。

実際、むねやんも妻の育児休業期間は、年末調整で配偶者控除をとることができました。

なぜ配偶者控除をしない人がいるのか?

では、なぜ配偶者控除を申請しない人がいるのでしょうか?

私が思うに、原因は主に3つです。

①「扶養」の意味を取り違えている。

②扶養条件「103万円」と「130万円」を混同してしまっている。

③「育児休業給付金」を給与所得に加えてしまっている。

①「扶養」の意味を取り違えている。

一般的に「扶養」と一言で片づけられることが多いですが、扶養には主に下記の3つに分類することができます。

  1. 社会保険(健康保険・年金)における扶養
  2. 支給手当における扶養
  3. 税控除における扶養

ここで注目する項目が、1.と3.です。
この二つの扶養の意味を混同してしまい、片方の扶養(主に1.)がとれなかったため、もう片方の扶養(3.)もとれないと思い違いをしてしまうことがあるのです。

 

例えば相談した相手から

「あなたの配偶者は(社会保険の)扶養にはとれませんよ。」

と言われたのに、本人は

「なるほど。(社会保険と税金の両方の)扶養にとれないのですね。」

と、意味を取り違えてしまうパターンです。
意外とこういう誤解が多いのです。

 

思うに、「扶養」という言葉が簡略的に使われ過ぎなんですよね。
もっと違うワードを使えばいいのに・・、と個人的には思います。
(それとも、納税額を増やすためにわざとそうしているとか?)

②扶養条件「103万円」と「130万円」を混同してしまっている。

俗にいう、「103万円の壁」と「130万円の壁」ですね。

詳しくは過去の記事にも載せています。
www.munelog-america.com

 

この違いを簡単に説明すると、

 

Ⅰ.103万円の壁
「税金における扶養」の要件。

Ⅱ.130万円の壁
「社会保険における扶養」の要件。

 

になります。
2つの数字はよく似ていますが、根拠となる法律や制度は全く違うものなのです。
年末調整なんて、年に1回しかしませんし、忘れちゃうのも無理はないですが、この点はしっかり押さえておきたいですね。

③「育児休業給付金」を給与所得に加えてしまっている。

上記①②までは簡単ですし、知っている人も多いと思いますが、問題は③です。
ここからが今回の記事の核心となる部分なので、がんばりましょう!

 

まず、モデルケースを以下の通り設定します。

氏名:A子さん
仕事:正社員(社会保険)
住所:東京都
給与:月額20万円
出産予定日:2017/05/12
主産日:2017/05/12(予定通り出産)

そうなると、A子さんの2017年スケジュールは以下の通りになります。
(給与における社会保険料等は省略します。)

産前・産後休業期間
(開始)2017年04月01日
(終了)2017年07月07日
出産育児一時金(健康保険給付)
420,000円
出産手当金(会社給付または健康保険給付)
435,806円
社会保険料
産前・産後休業期間中 免除

育児休業期間
(開始)2017年07月08日
(終了)2018年05月11日
育児休業給付金(雇用保険給付)
1,213,878円
社会保険料
育児休業期間中 免除

2017年スケジュール

年月 状況 給与 出産手当金 出産一時金 育児休業給付金
1月 勤務 200,000 0 0 0
2月 勤務 200,000 0 0 0
3月 勤務 200,000 0 0 0
4月 産休 0 0 0 0
5月 出産 0 0 0 0
6月 産休 0 0 420,000 0
7月 育休 0 0 0 0
8月 育休 0 435,806 0 0
9月 育休 0 0 0 267,973
10月 育休 0 0 0 0
11月 育休 0 0 0 267,973
12月 育休 0 0 0 0

<社会保険における扶養申請は可能か?>

A子さんは育児休業中も籍を会社に残していますので、社会保険における扶養には入れません。
といいますか、社会保険料免除なので扶養に入る必要もなく、保険証などは従来のものをそのまま使えます。

<税金における扶養控除申請は可能か?>

スケジュールに表示されている金額をすべて足すと

給与出産手当金出産一時金育児休業給付金
600,000435,806420,000535,946
=1,991,752

となり、年収103万円も年収141万円もオーバーします。

しかし、出産にかかる出産育児関連の公的給付は非課税となるため、年末調整における年収には含まなくてもよいのです。

ここでポイントとなるのが、「出産手当金」です。
出産手当金の給付金は、勤務先が負担してくれる会社給付と、健康保険が負担してくれる社会保険給付の2パターンがあります。
このとき、会社給付の場合なら出産手当金は年収に含み、健康保険給付の場合なら出産手当金は年収に含みません!

 

つまり

Ⓐ出産手当金=会社給付の場合

年収
給与出産手当金出産一時金育児休業給付金
600,000435,80600
=1035,806

→年収151万円未満のため、配偶者特別控除 可能!

Ⓑ出産手当金=健康保険給付の場合

年収
給与出産手当金出産一時金育児休業給付金
600,000000
=600,000

→年収103万円未満のため、配偶者控除 可能!

となります。

 

給与口座の入金履歴を見ると、一見して給与と同じように捉えてしまいがちですが、上記のように公的給付は非課税となるため、年末調整における年収には含まなくてもよいことを必ず覚えておきましょう!
自分の勤務先に出産手当金制度があるかどうかも確認しておいて下さいね。

総評

いかがでしたでしょうか。
要点が分かればそう難しくはないのですが、知らない人、気付かない人が案外多いみたいです。
年末調整をちゃんとしたママさんたちも、どうして控除ができるのか、その制度の中身まではよく知らない人もいるようです。
「何かよく分からないけど、控除できるっぽいよ~。」みたいな?

ちなみに、むねやん家が産休・育休のときは、夫婦両方ともこのあたりの制度についてあまり理解できていませんでした。
といいますか、無関心でした。
むねやんは、産休・育児関係のことは妻にまかせっきりでしたし、一方で妻は、育児と産後の体調不良でいっぱいいっぱいだったからです。
年末調整のとき、たまたま見たネット情報で配偶者控除が可能ということに気づきましたが、これを忘れず申請できたおかげで、所得税・住民税の還付金はもちろん、公立保育園の保育料が安くなったのでとてもラッキーでした。

もし「忘れてた!」という人がおられましたら、確定申告は過去5年までさかのぼって申告できますので、ぜひやってみてください。

 

税金の還付はやらなきゃソンソン♪
今年の年末調整も、これでバシッと乗り切ってやりましょーー!

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