私がVT/全世界株式投資をオススメする2つの理由

ごきげんいかがですか。
むねやんです。

今回は分散投資に関する考察です。

アマチュアが目指すべき投資は敗者のゲーム

弊ブログではこれまで何度も「分散投資ならば全世界株1本がオススメである」と申し上げてきました。

 

中級者以上の投資家が市場平均を上回るパフォーマンスを目指して個別株に挑戦するのも悪くはないですが、市場平均を長期に渡って上回り続けるのはプロの投資家でも非常に困難です。

ならば、知識も経験も乏しい初心者はVTなどの全世界株ETFを購入し、世界約7000銘柄に分散投資し市場平均を目指すことが、最も無難で負けない投資法のひとつだと私は考えてきました。

 

インデックス投資の古典『敗者のゲーム』にも、「株式市場はミスした者が負ける『敗者のゲーム』だ。」と記されています。

2つのゲームは基本的に正反対なのだ。プロのテニスは勝つために行ったプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者がミスを重ねることによってきまる「敗者のゲーム」なのである。

VTに投資してればそれでよいのか?

ただ先日、SOSEKIさんが分散投資に関する素晴らしい記事をアップされました。

【分散投資】VTは分散投資ではない?リスクに備える銘柄とは?

こちらの記事によると、全世界株式投資は確かに全世界の株式に投資できるので見方によれば分散投資と言えますが、株式資産のみの集中投資はリスク分散の観点から考えると不完全であるとおっしゃられています。

なぜなら株式はいくら幅広く地域分散をとったとしても、市場平均と高い相関関係にある資産である以上、市場の急激な下落の流れに逆らうことはできないからです。

 

株式市場は、昨今、一つの相場が下がれば、連鎖的に他の市場も下がることが多くあります。
そのため、リスク分散という観点では、株式市場だけでは、リスク分散は難しくなっていると言えるでしょう。

投資におけるβ値は、市場平均に対する個別銘柄やETFの感応度を示す指標で、日本語では「市場感応度」と呼ばれます。
米国株では、市場平均は「S&P500」が使われることが多いです。S&P500に対して、値動きが大きいか小さいかを測る指標です。
S&Pの値動きと同じような値動きをすれば、β値が1に近ければ近いほど、S&P500と同じような値動きをする、ということになります。
逆に、1から遠ければ遠いほど、全く逆の動きをすることになります。

株式におけるリスク分散とは、互いに相関の低い、または逆相関のリスクを組み合わせることで、全体のリスクを軽減させることになります。よって、β値が0に近い、またはマイナスのものを選ぶことが、株式投資における分散になります。

 

事実、SOSEKIさんが調べた2018年の実績値によると、アメリカ市場平均(S&P500)β値を1とした場合、全世界株式(VT)はβ値0.88、新興国株式(VWO)はβ値0.88と市場平均と強い相関関係にあります。

逆に米国債券(BND)はβ値-0.04、金(GLD)はβ値-0.04、REIT(IVR)はβ値0.43と逆相関、もしくは低い相関関係にあると言えます。

これはつまり、債券やコモディティならば急激な株式市場の暴落時にも市場と逆もしくは無関係な動きをするので資産が減っていく動きが緩やかになる可能性が高いことを示しています。

私が全世界株をオススメする理由

確かにSOSEKIさんの仰ることは的を射ており、私も債券やコモディティを組み合わせた方が分散効果が高いという結論には納得です。

しかし、私はあえてリスク管理としては不完全な全世界株集中投資を勧めたいと思っています。

その理由は主に以下の2つです。

資産管理を簡単にしたい

私は株式投資の経験こそ10年を超えていますが、本格的に勉強し始めたのはつい3年ほど前になります。

主に株式投資に絞って勉強しはじめ、毎日1時間くらいは投資の勉強を続けていますが、それでも学ぶべきことがたくさんあってなかなか大変です。

特に市場の動向は日々刻々と変化していますから、経済の原理原則を学びつつ市場の変化の原因を究明し実践するというのは臨床医をしながら研究医として働くくらいの時間とエネルギーを必要とします。

株式投資のみに特化していてもこれだけ手こずっているわけですから、これに国内・国外債券やコモディティの勉強するとなると私の頭では到底追いつけそうにありません。

 

私がVTをオススメしているのは、日々の仕事に忙しい人や資産管理が面倒な人でも、VT1本買っておけば僅かな手数料で世界約7000銘柄に分散投資できるという手軽さがあるからです。

 

無論、SOSEKIさんの仰るとおり債券やREIT、ときにはキャッシュとして分けて持っておいた方が分散効果が高いのは言うまでもありません。

不動産投資としてマンション経営などをするのもとても良い判断だと思います。

 

ただ、投資歴の長い上級者ならばともかく、初心者がそれだけの幅広い資産を管理するのは非常に大変です。

もし管理しきれず運用に失敗してしまったら、それこそ上記で紹介した「敗者のゲーム」に敗北してしまうことになりかねません。

VT集中投資はリスク管理の観点からベストな投資とは言えませんが、アマチュアが「敗者のゲーム」を継続しようと考えるなら悪くない選択肢であると考えます。

株式の方が長期投資に向いている

株式集中投資が嫌であれば、バランスファンドへの投資も良い判断です。

バランスファンドであればそれ1本で債券やREITも含まれていますので、上記のような複雑な資産管理をする必要がなくなります。

 

しかし、私はあえて債券やREITなどをMyアセットから外しております。

それは株式投資の長期実質トータルリターンが他の資産に比べて圧倒的に高いデータがあるからです。

 


ジェレミー・シーゲルによれば、過去200年のアメリカ経済を研究したところ、歴史的に株式は債券や国債の実質トータルリターンを大きく上回っていました。

またこの傾向は何もアメリカだけにとどまらず、世界的にも株式が長期投資に最適な資産であったと述べています。

 

原因としては、債券が株式と比較して単純に利回りが小さいからということ。

そして重要なのは、債券は株式と異なり基本的に金利が固定でインフレ率に合わせて変動してくれないので、債券購入後にインフレ進むと実質利回りが複利効果を含めてマイナスになってしま可能性があるからです。

つまり戦争やハイパーインフレなど国家レベルでの危機に対して非常に脆弱であり、そうなった場合信用回復までに長い時間、場合によってはそれが100年以上かかる恐れがあります。

 

一方、シーゲル氏によると、多くの国では株式購入後に大暴落があったとしてもおおよそ20-30年でトータルリターンをプラスに回復させてきたというデータを示しています。

これが長期投資では債券ではなく株式に投資するべきであるという一つの根拠となっています。

 

20年以上長期投資を前提とするならば、債券などの資産を加えることなく株式集中投資で高いトータルリターンを得られる可能性があると私は踏んでいます。

まとめ

まとめますと

  • VTなどの世界分散投資銘柄1本の方が資産を管理はしやすく、初心者にもカンタンである。
  • 20年以上の長期投資においては、株式集中投資の方がトータルリターンが高いデータがある。

ということから、弊ブログではVTのようなETFや、eMAXIS Slim全世界株などの投資信託への低コストインデックス資産への投資をオススメしております。

 

無論、債券や不動産への投資も全然OKですし、その方が分散効果が高いことは間違いありません。

ただもしあなたが短期のトレードを目的とせず、長期に渡る複利効果を狙ったシンプルな投資をお望みであれば、全世界株式1本によるコツコツ投資は決して悪くない選択肢であると私は考えます。

 

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VTは大人の投資だけでなく、ジュニアNISAにも有用であると私は考えてます。




インデックス投資の古典にもあるように、初心者の投資はリターンよりもコストを削る方が堅実であると言えますね。
低コストインデックスETFなどは特におすすめですよ。