トルコリラ騒動は一服するも安易な新興国投資は危険だと思う理由

ごきげんいかがですか。
むねやんです。

今回はトルコリラ騒動にまつわる所感です。

トルコリラ・リスクオフは一服

先日、年始から下がりっぱなしのトルコリラが急落し、市場に緊張感が走りました。



出典:楽天証券

しかし、一時15円/トルコリラまで下がったものの、現在は18円/トルコリラまで反発し、現在は上りも下がりもせず小康状態を保っています。

エコノミストからは「トルコリラショックの危険性は収束した。」と語り、新興国資産の買戻しが起こりはじめているという声も聞こえます。



しかし、これらの意見を早々信じてよいものでしょうか?
私は少々懐疑的です。

確かにトルコリラ下落に端を発する世界同時不況の可能性はグッと小さくなりました。
しかし、まだまだ新興国経済への不安は払拭しきれていないのではないかと考えます。

下落したのはトルコリラだけではない。

8/10、トルコリラは約20%の急落(対ドル)をみせました。

この下落に伴い、翌週にはリスク回避のために投資家の資産を引き上げる動きが活発化し、世界中の株価指数が下落しました。
また新興国全般の通貨にも動揺が広がっており、アルゼンチン南アフリカインドネシアなどが対ドルで大きく下落ました。



特にアルゼンチン・ペソは、米利上げを背景にした新興国からの資金引き揚げも相まって、8/30には一時40ペソ/ドルを割り込み、史上最安値を更新した。



出典:investing.com

同じ南米のメキシコやブラジル、チリなどの通貨も売られました。



一方で、安全通貨とされる円やドル、スイスフランが上昇する動きとなりました。



アルゼンチンは政策金利を60%に引き上げて国際通貨基金(IMF)の支援を受け入れました。
またインドネシアはルピア下落に対する市場介入を表明するなど様々な政策で対応しています。
ただそれは下落を止める一時的な措置に過ぎず、まだまだ新興国市場に対する懸念は続いているのではないかと推察します。

そもそもトルコへの不安が払拭されていない。

トルコと米国との間では、未だ緊張状態が続いています。

トランプ大統領にとっては中間選挙までのひとつのパフォーマンスなのかもしれませんが、それでもエルドアン大統領が対決姿勢を崩さずにいるお陰でまだまだ楽観ムードとはいきません。



そもそもトルコは経済成長こそ著しく伸びているものの(2017年のトルコのGDP成長率は7.4%)、経済収支は赤字続きで対外債務も年々増加しています。

加えてインフレ率は徐々に膨らんできており、2017年は11%超にもなりました。
インフレは進み、低金利政策を続けると大統領が公言しているわけですから、当然通貨は安くなります。

トルコリラの下落要因はまだまだ残っていそうです。

ヨーロッパ諸国への経済不安感染

またトルコには、スペインのBBVAやイタリアのウニクレディト、フランスのBNPパリバといった主要銀行が資産を預けています。

とはいえ貸付額は日米でそれぞれ約2兆円欧州全体で約20兆円くらいと言われています。
貸付額はそれほど大きな額ではないのでいきなり「ギリシャショック」のときのような大きな経済不安が起こるとは考えにくいですが、それでもユーロ圏銀行の資産懸念ニュースはユーロ安を誘い込みやすいです。
そうすると、資産移動に伴ってドル高が起こり、相対的にトルコリラを始めとする新興国貨幣は安くなります。
すると新興国貨幣安によって欧米金融機関の懸念は更に高まりユーロ安が起こる、といった負のスパイラルが起こり得ます。

また最近、アメリカFRBは年内のさらなる利上げを示唆していますので、中長期的にはドル高になる可能性が高いと言われています。
ドルの利上げによる今後の新興国の債務負担にも注意が必要です。

不安の感染から暴落は起こり得る

個人的な推察としては、今回のトルコリラショックによってすぐさま暴落や不況が起こるとは考えにくいと思います。

ですが、今回のことがきっかけで新興国資産に対する不安と脆弱性がやや露見してしまったことは否めません。

昨年くらいまでは新興国ファンドに対する出資を勧める記事が人気でしたが、ここ最近はブログ界隈でもさっぱり聞きませんね。
やはり皆さん、感覚的にリスクオフに対する準備と懸念を始めているということでしょうか?



あくまで感覚的私見ですが、暴落や不況ってムードから生まれがちだと思います。
今回の暴落はどこかの経済がダメになったからだとか、不動産バブルが原因だとか、そんなのはエコノミストの後付けの理由じゃないかなといつも勘ぐっています。

みんなが何となく不安を覚えていて、それがあるきっかけでドドドォォーーーっと雪崩のように崩れるときが暴落なのかなと思ってます。

そう考えれば、今回の騒動で市場にはまだまだ新興国などのボラティリティの高い資産への不安材料が残っていそうな気がします。

日経平均株価は2万4千円台を一時回復し、NYダウやNASDAQは過去最高値を更新しました。
しかしこの動きも、新興国資産を売って一時的な先進国資産への避難のような雰囲気を感じます。

あくまで直観であり特に根拠があるわけではありませんが、まだまだ市場の下落リスクを継続してウォッチする必要があると私は思います。

むねやんむねやん

でも将来のリターンは不安のなかにこそ生まれたりするからなぁ。

はるやんはるやん

案外、上げ下げを続けながらジワジワ上げる可能性もあるな。

まとめ

  • トルコリラの下落がすぐさま暴落を呼ぶとは考えにくい
  • しかし、今後も新興国を始めとする地政学及び経済リスクは残る
  • NYダウは好調だが油断は禁物である

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個人的には超大国アメリカへの投資が無難かなぁと思ってます。
私も投資してますよ。




ドカンと儲ける投資もいいですが、初心者はまず損をしない投資から始めてみるのが負担が少なくてオススメです。